時間はまだ十分残っていたので、朝倉氏の本拠地であった一乗谷遺跡を見学することにしました。
再び福井駅前の観光案内所でアクセス方法を尋ねると、駅の東口から京福バスが出ていることを教えていただきました。
「朝倉氏遺跡フリーきっぷ」(往復800円)というお得な切符が観光案内所で販売されていたので、購入し、バス乗り場へ向かいました。
◆11:20福井駅発~11:45復元町並(一乗谷)着
バスは25分ほどで、朝倉氏統治時代の町並みを復元した「復元町並」に到着しました。
入口で早速、入場券(230円)を購入し、復元された武家屋敷等を見学しました。
ここはソフトバンクのCMのロケ地にも使われたようですが、建物から当時の生活模様を想像することができました。
一乗谷・復元町並1 |
一乗谷・復元町並2(武家屋敷) |
周辺は、一乗谷という地名だけあって、山と山に挟まれた平地に川が走り、田園が連なっていました。とくに何もないけれど、「日本昔ばなし」に出てきそうな日本の古き良き風景がこの地にはありました。
遺跡の発掘作業は今も続いているようで、作業現場も少し見ることができました。
朝倉義景館跡1 |
朝倉義景館跡2 |
改めてパンフレットを見ると、一乗谷は山城で、天守等の建物は現存していませんが、一の丸跡地(山頂・標高473M)までは約1.5㎞、約1時間で行けるとありました。山頂での見学時間等を含めると往復2時間半のコースとなります。
急に挑戦心が湧いてきて、登ってみることにしました。
入口である神社の横道を歩くとすぐに1人の方とすれ違いました。あまり人の気配がなかったので、安心しましたが、下山するまでにお会いした人は結局この方のみでした!
右:一乗谷山城入口、左:八幡神社 |
入口にあった案内図 |
しばらくして登山道入口の標識が見え、その横に「熊出没注意」の看板を目にしました。
クマ!!!
一瞬ひるみましたが、登っている人もいるようだし、そのまま進むことにしました。
登山道入口の標識 |
歩くこと10分。次第に後悔の念が高まってきました。
はじめは先月訪れた月山富田城や備中松山城と同レベルの厳しさのイメージを抱いていましたが、とんでもない。道はほとんど整備されておらず、数倍のきつさでした。
一乗谷の山道 |
「負けたらあかん」と自分自身を叱咤激励し、さらに歩くこと30分。ようやく一の丸跡地に到着しました。
しかし、辺りは高い木々に囲まれており、期待していた絶景は見られませんでした。
「そんなはずはないやろ」と思い、さらに奥の二の丸、三の丸跡地へと進みましたが、結果は同じでした。
既にふくらはぎは悲鳴をあげており、疲労感が一気に押し寄せ、半泣き状態になりましたが、仕方なく下山することにしました。
一の丸跡 |
三の丸跡 |
期待はしていなかったのですが、せっかくここまで登ってきたのだから、見に行くことにしました。
結果は・・・
見に行って大正解でした!
宿直跡からは、眼下に一乗谷はもちろん、福井平野が見渡せました。まさに絶景でした。
山中では誰とも遭遇しなかった心細さから、思わず叫ぼうかと思いましたが、クマが出てくると嫌なので、心の中で雄叫びをあげました。
そこから足取りは急に軽くなり、一気に下山しました。
宿直跡 |
宿直跡から一乗谷を見下ろす1 |
宿直跡から一乗谷を見下ろす2 |
12時20分に登り始めて、下山時刻が13時55分だったので、1時間半ほどで戻ってきたことになります。日ごろ運動は何もしていませんが、日々の通勤でそれなりに歩いているので、その効果があったのかもしれません。
いずれにせよ、旅を楽しむためにはある程度、身体を鍛えておかないといけないなと、改めて実感しました。
予定より早く下山できたので、「一乗谷朝倉氏遺跡資料館」を見学し、福井駅へ戻るバスの到着を待ちました。
私にとってはハードな登山となりましたが、一乗谷、最高でした。
大阪までの帰路は湖西線回りをとることに決めていたのですが、敦賀からの新快速が無く、少し当てが外れました。
幸い全行程、座ることができたのでよかったのですが、足はもう限界でした。
それでも車窓から夕暮れ時の琵琶湖を眺めることができ、旅はやはりいいものだなと、しみじみと感じました。
列車は定刻どおりに大阪へ到着。2日間の旅が終了しました。とても充実した時間を過ごすことができました。
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