2017年8月27日日曜日

伏見稲荷大社見学の旅

◆期日:2017年8月26日(土)
◆訪問場所:伏見稲荷大社
◆ルート:11:30大阪発~11:59京都着、12:07京都発~12:12稲荷着
◆経費:
・交通費(往復1,680円)
・お土産代 1,000円
 合計 2,680円

今日は夕刻に親戚の法事があるため、京都に行く日でした。
せっかくの休日だったので、法事の前に、伏見稲荷大社を見学しようと、思い立ちました。
伏見稲荷は幼い頃に行ったような気がしていますが、記憶が定かではありません。
訪日観光客にとって1、2を争う人気スポットだと知り、自分の目できちんと観ておこうと考えました。

朝は曇り空でしたが、京都駅に着いたころにはすっかり晴れていました。
京都駅でJR奈良線に乗り換え、稲荷駅へ向かいました。
京都には4年ほど住んでいましたが、奈良線に乗るのは初めてのことです。
車内には外国人がちらほら乗車しており、稲荷駅に着くと、さらに大勢の外国人を目にし、人気の高さを実感しました。
稲荷駅の改札口を出ると、すぐ目の前が伏見稲荷大社の入口で、大きな鳥居が迎えてくれました。めちゃくちゃ近いな、と思いながら、奥へと進んでいきました。
伏見稲荷(稲荷駅前の鳥居)
本殿の方に進んでいくと、多くの観光客が思い思いに記念写真を撮っていました。
日本人に限らず、外国人観光客の大半が自撮り棒を持参し、駆使している姿を見て、改めてこの発明者はすごいなと感心してしまいました。
大社の全体図を見ると、一ノ峯がある山頂までは、けっこう時間がかかりそうな印象を持ちましたが、とりあえず千本鳥居を観に行こうと、深くは考えず奥へと進んでいきました。
伏見稲荷大社案内図
しばらくすると、延々と続く鳥居の入口に差し掛かりました。
このときにはまだ伏見稲荷の全貌を理解していなかったため、余裕綽々で周囲の風景を楽しみながら、歩いていきました。
伏見稲荷(千本鳥居の入口)
延々と続く朱色の鳥居の背景には、山の木々がもたらす豊かな緑があり、そこに天から陽光が降り注いでいました。それらは実に見事な配色を形成しており、あらゆる位置から見た景色が神秘的なものでした。おそらく日本独特のものでしょうから、外国人にはとても珍しく、人気があるのもうなずけました。
入口から40分ほど歩いたでしょうか。ようやく四ツ辻に到着しました。ここからは京都市南部が一望できますが、山頂まではさらに30分かかるという案内を目にし、心が折れそうになりました。
正直なところ、伏見稲荷をなめていました。これはもはやハイキングです。生半可な気持ちで来る場所ではありませんでした。
お茶で喉の渇きを潤し、心を入れ替えて、山頂まで向かうことにしました。
伏見稲荷大社
 
伏見稲荷大社
四ツ辻からさらに登ること20分ほどで山頂の一ノ峯に到着しました。汗は吹きこぼれ、インナーは既にびしょ濡れ状態でした。日帰りの旅だったので、着替えを持参しておらず、これは失敗でした。
一ノ峯で参拝後、少し休憩をとり、再び順路に従って四ツ辻まで戻りました。
四ツ辻ではベンチに腰掛け、汗がひくまでの間、心地よい風に当たりながら、眼下の美しい景色を心ゆくまで楽しむことにしました。
伏見稲荷(一ノ峯)
 
伏見稲荷(四ツ辻からの光景)
四ツ辻から本殿までは下り坂でしたので、あっという間だったような気がします。それでも時計を見ると、14時を過ぎていたので、一周するのに2時間を要したことになります。
途中、浴衣姿で参拝に来られている方をしばしば見かけました。ホテルや旅館で貸し出しをされているのだと思いますが、下駄ではとても山頂までは無理だと思います。革靴でも難があると思いますので、運動靴の着用・持参が無難だと率直に思いました。
移動時間を含めて4時間にも満たないプチ旅でしたが、神秘的な景色とちょっとした運動ができて、充実した休日を過ごすことができました。

2017年8月21日月曜日

中国地方の旅⑦(総括)

「2017夏 脱力の旅(中国地方編)」の総括をしておきます。

◆期間:2017年8月13日(日)~17日(木) 5日間

◆踏破(通過)区間(JRのみ記載。乗車順)
・東海道本線(大阪→京都)
・山陰本線(京都→福知山→城崎温泉→鳥取→米子→安来→松江→出雲市→波子→浜田→益田→長門市→小串→下関)
・山陽本線(下関→岩国→宮島口→広島→倉敷→岡山→相生→姫路→大阪)
・呉線(広島⇔呉)
・伯備線(倉敷⇔備中高梁)

◆経費
・青春18きっぷ代 11,850円(※)
・宿泊費、施設入場料、その他交通費等 31,119円
・食費、飲料費 20,575円
・その他雑費 12,459円
 合計 76,003円

※今回、仮に一般の乗車券で各地を巡った場合のJRの運賃は、5日間の総額で24,230円となり、青春18きっぷの効果は12,380円となりました。ただし、2日目だけをみると、青春18きっぷを温存し、普通にきっぷを買った方がお得でした。次回への反省点となりました。

◆その他
・山陰本線、山陽本線は全駅通過できました。
・現存12天守のうち、今回の旅で松江城と備中松山城を訪問できました。これで残りあと5城です。
【現存12天守】弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城備中松山城松江城丸亀城伊予松山城宇和島城高知城 (赤字は訪問済)



中国地方の旅⑥(5日目:倉敷~備中高梁~岡山~大阪)

「2017夏 脱力の旅(中国地方編)」もいよいよ最終日を迎えました。さすが晴れの国・岡山。朝から晴天です。
5日目は前回、四国の旅で断念した備中松山城へ向かう日に当てようと、当初から決めていました。備中松山城は、松江城同様、現存天守12城の一つで、天守が現存する山城としては日本一高い場所(標高430M)にあります。訪問するには、それなりの準備と覚悟が必要です。
事前の調べでは、駅から登城口まで徒歩だと片道50分。登城口から天守まで歩くとさらに40分。計90分となります。往復3時間です。駅から乗り合いタクシーやバスも出ているとありましたが、いまいちよく分からなかったので、とりあえず現地へ向かうことにしました。


◆7:41倉敷発~8:16備中高梁着
倉敷から伯備線で備中松山城のある備中高梁へ向かいました。意外と言ったら怒られるかもしれませんが、備中高梁までは複線で、列車はあっさりと備中高梁駅に到着しました。しかも備中高梁駅は立派な駅舎を擁し、中には蔦屋書店とスターバックスが入居しており、さらに驚きました。

備中高梁駅内の図書館(蔦屋書店、スタバあり)
駅ではまず、コインロッカーに荷物を預け、周辺地図を入手しました。はじめは城まで歩いていくつもりでしたが、念のため駅下のバス案内所「高梁バスセンター」で、城までのバスがあるかを確認すると、市内ループバスが城の近くまで走っていることを教えてくれました。
ループバスのバス停「運動公園」から、ふいご峠(8合目)までの往復シャトルバスが出ているバス停「城見橋公園」(5合目)まで徒歩10分とのこと。急に気が楽になり、まずはループバスで運動公園まで向かうことにしました。
運動公園から眼前のトンネルを抜けて、山道を進んでいくと、しばらくして「城見橋公園」が見えてきました。シャトルバスは15分間隔で出ており、運賃は往復400円で、乗車券は城見橋公園の売店で販売しています。
シャトルバスに乗ってふいご峠に到着。ここから20分ほど登っていくと、天守のある山頂に到着しました。
眼下に広がる景色を見て、よくまあこんな高地に城を築いたものだと、改めて昔の人の偉業や創意工夫に感服しました。
晴天に恵まれ、のどかな景色も見られて、備中松山城は大満足の城でした。
この城は天空の城としても有名なので、雲海から天守が顔を出す姿を見に、いつかまた再訪したいと思います。

運動公園から塩見橋公園まで向かう途中の道

備中松山城(大河ドラマのオープニングにも使用された石垣)

備中松山城

備中松山城から城下を眺める
シャトルバスで再び城見橋公園まで戻り、そこから運動公園まで向かいました。
駅で入手した観光案内に、備中高梁は武家屋敷が並ぶ通りも見どころだと紹介されていたので、駅まで向かう途中でバスを降り、そこから駅まで散策してみることにしました。
高梁の街はどことなく情緒があって、昔の城下町の名残が随所に残されていて、個人的には好きなタイプの街でした。

武家屋敷が並ぶ通りから撮影
駅に戻り、蔦屋書店・スターバックスで休憩をとることにしました。正面に美しい山が望める3階の座席を確保し、そこでしばらくのんびりとした時間を過ごしました。大阪にもここよりも大きな蔦屋書店はありますが、常に混雑していて、個人的にはとても落ち着けるような空間ではありません。それに比べてここの空間は、ゆったりとくつろげて、地元の人が少しうらやましく思いました。
(夏休み中で地元の生徒・学生がたまたま少なかっただけかもしれませんが)


◆12:29備中高梁発~13:19岡山着
大満足のうちに備中高梁を後にし、もう1カ所ぐらい回ろうかと考えましたが、興ざめするのもいやだったので、このままのんびりと途中休憩を挟みながら大阪まで帰ることにしました。
いったん岡山で下車し、駅の商業施設で昼食をとりました。


◆14:12岡山発~15:16相生着、15:19相生発~15:39姫路着、16:11姫路発~17:13大阪着
岡山から関西方面への路線は、これまで何度か利用しているため、見慣れた景色が続きました。ただ、西明石を過ぎてから、新快速列車と普通列車が並走する光景を目にして、都会に戻ってきたことを実感しました。
列車は17時過ぎにゴール地点の大阪駅に到着。青春18きっぷを活用した第2弾の旅が終了しました。

中国地方の旅⑤(4日目:下関~宮島口~呉~倉敷)

4日目は、最終日に備中松山城を見物するためにも、とにかく倉敷まで移動できればいいと考えていました。山口県内は朝から大雨の予報だったので、昨日のこともあり、早朝に出発することにしました。

◆6:00下関発~9:19岩国着、9:29岩国発~9:52宮島口着
下関市内はやはり雨。とりあえず列車は定刻どおり動いているので、倉敷までは問題なく移動できそうでした。ただ、このまま乗り継いでいくと早く着きすぎるので、雨がおさまるようであれば、宮島口で降りて、厳島神社を観に行くことにしました。
岩国までの乗車時間は3時間を超え、1本の普通列車での乗車時間としてはおそらく自身の過去最高記録となりました。

岩国に着いた頃には小雨となり、これは行けそうだなと思い、宮島口で降りることにしました。
宮島口から宮島へはJRのフェリーであれば青春18きっぷで乗船できます。国内外からの観光客で賑わう観光地のため、フェリーは10分間隔で出ており、とても便利だと思いました。
一通り観光スポットを巡った後、昼食には名物のアナゴ飯をいただき、別の店で焼き牡蠣を食しました。
宮島での時間は、それなりに満足はしたのですが、なにせ人が多かったこともあって、私には安来や松江の方が合っているなと率直に思いました。


厳島神社
◆12:33宮島口発~13:02広島着、13:30広島発~14:03呉着
次に呉の「大和ミュージアム」に行くことにしました。前日が終戦記念日だったこともあり、広島で降りて、平和記念公園等への訪問も考えましたが、こちらは過去に何度も訪問しており、今後も行く機会があるはずなので、今回は呉を選択しました。
大和ミュージアムにはいつか行ってみたいと思っていましたが、まさか今旅で行くことになろうとは、事前には想像できませんでした。これが思いつき旅行の醍醐味の一つなのかもしれません。
呉駅から徒歩7~8分でミュージアムに到着しました。ミュージアムと道路を挟んだ向かい側に巨大な潜水艦が飾られていて、いきなり度肝を抜かれました。
館内はちょうど特別展も実施していて見どころ満載で、戦艦大和の特大のモニュメントもあって、いろいろと楽しむことができました。そして、この時代の造船技術が戦後日本の経済発展に大きく寄与していることも改めて認識することができました。

大和ミュージアム

大和ミュージアム内の戦艦大和の巨大模型
◆15:44呉発~17:55広島着、18:13広島発~20:46倉敷着
列車は呉を定刻に出発して、3駅目の「かるが浜駅」で停車。そこから動かなくなりました。ワンマン列車だったので、女性の運転士さんが「ただいまこの先の駅で人身事故が発生し、緊急停車しました。列車再開の見込みは17時20分ごろの予定です」とアナウンスされました。
前日の天候による遅れに続き、今度は人身事故。2日連続のトラブルでしたが、こればかりはどうしようもないので、これも旅だと思って諦めました。
ただ、一番最前列の席に座っていたので、運転士さんの乗客への対応の様子などがつぶさに見て取れました。「新幹線の時間に遅れる。どうしたらいいの。」「この駅で降りたい。ドアを開けてほしい。」等、乗客からの要求に対し、運転士さんは無線で本部と連絡を取りながら、必死に誠実に対応されている様子がうかがえました。
ワンマン列車なので、自分一人で対応しないといけないし、しかも緊急停車した、かるが浜駅は無人駅のため、ホームで列車を待つ乗客への説明も必要です。運転士さんはまだ20代半ばに見えたので、若いのに大したものだなと感心しました。
他の乗客も努めて冷静に列車の再開を車内で待っていたと思います。
列車は結局、約1時間半遅れで広島に到着。そこから岡山行きに乗り、倉敷まで向かうことにしました。本当は尾道にも立ち寄りたかったのですが、尾道到着時点では日も落ちており、断念しました。
倉敷には21時前に到着。明日はかなり歩くことが予想されたので、しっかり入浴して、早めに就寝することにしました。
4日目は少し消化不良感の残った1日となりました。

中国地方の旅④(3日目:出雲市~波子~小串~下関)

◆6:09出雲市発~6:32出雲大社着、7:35出雲大社発~8:06出雲市着
出雲大社が朝6時から参拝できることを確認したので、早朝にホテルを出立しました。雨は止みましたが、曇り空で、いつ降り出してもおかしくない模様でした。
出雲市駅から出雲大社までは一畑電鉄を利用しました。早朝だったこともあり、大社周辺の商店はすべて開店前でしたが、観光客はまだそれほど来ておらず、かえって良かったのかもしれません。
駅から5分ほどで、出雲駅伝のテレビ中継で見たことのある正面鳥居が見えてきました。静寂に包まれた参道を歩き、さらに5分ほどで拝殿、そして本殿へと着きました。
清々しい朝を迎えられたことへの感謝と旅の無事を祈願し、再び一畑電鉄で出雲市駅まで戻りました。

出雲大社1

出雲大社2

出雲大社3
◆8:06出雲市発~9:54波子着
前日の夜に練った計画では、3日目の旅は益田駅から長門駅までの区間がポイントになることを確認していました。この区間は列車の本数が極端に少なく、一つ間違えると、予定が大幅に狂うことが予想されました。
幸い出雲市駅を予定より1本早い列車で出発できたのですが、結局益田駅から乗り継ぐ列車は同じであることが分かりました。
どこか時間をつぶすスポットはないか、車内でネットで探していたところ、波子(はし)駅に「しまね海洋館」という大きな水族館があることを知りました。
次の列車まで80分ほどあるので、ちょうどいいなと思い、波子で下車することにしました。

波子駅
しまね海洋館へは駅から徒歩10分ほどで着きました。お盆の休日ということもあってか、多くの家族連れや若者で賑わいをみせていました。
メインのシロイルカのプールは現在改装中ということで、仮プールでのお披露目となりましたが、久しぶりにイルカを見たような気がします。
約1時間ほど観賞し、駅へと戻りました。

しまね海洋館
◆11:56波子発~12:20浜田着、13:10浜田発~13:46益田着、13:51益田発~15:34長門市着、15:37長門市発~16:45小串着
定刻では、益田行きの列車は11時12分発の予定でしたが、昨日からの大雨の影響でダイヤが大幅に乱れているとの情報が駅の放送で流れました。
最初は20分ほどの遅れと伝えていましたが、結局、44分遅れで列車がやってきました。しかも標識を見ると、浜田行きとなっています。
運転士さんに事情を尋ねると、益田行きが浜田行きに変更になったとのこと。その先の益田までの行程は浜田駅で確認してほしいとのことでした。この頃には、天気も晴れてきて、大雨の影響という意味がよく分かりませんでした。
浜田駅に到着し、とりあえず駅員さんから情報をもらおうと改札口に向かうと、同じような境遇の旅人たちが集結していました。
駅員さんが、「益田まで行かれる方は手を挙げてください」と言うので、挙げると、総勢21人の手が挙がりました。
すると駅員さんが、「このたびはご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。皆さんには特別に益田まで次にやってくる特急列車にお乗りいただきたいと思います。ただし、デッキでの立ち乗りとなりますことをご容赦ください」とのこと。
青春18きっぷで特急列車に乗れるなんて、不幸中の幸いでした。
浜田駅で特急を待っているときに、私と同じような疑問を持っていた人が、「晴れているけどなあ…」と言葉を発しました。すると、隣にいた鉄道博士のような学生が、「山陰本線は単線だし、至るところで土砂崩れの危険性もあるから、安全には万全を期しているんですよ。よくあることです。」と解説していました。
納得はしたものの、気を長く持たないと、田舎を走る列車には乗れそうにありません。前回の四国の旅は終始、定刻どおりに進みましたが、たまたま好天に恵まれ、運が良かっただけなのかもしれません。
浜田から益田までの区間は日本海沿いを走るので、立ち見でしたが、車窓からの眺めは最高でした。特急列車はやっぱり速いなあと、感慨にふけっているうちに益田に着きました。
益田駅には定刻より24分遅れで到着しましたが、そこから先の列車はすべて連携していて、待っていてくれました。
益田を出て3駅で江崎駅に停車。ここからは山口県になります。
途中、萩を経て、終着駅の長門市駅に到着しました。
下関方面へと向かう小串行きに乗り継ぎ、列車は定刻より17分遅れで発車しました。長門市から先は本州の最西端を走ることになります。おそらく二度とこの路線に乗ることはないだろうと思い、車窓からの景色をしっかり目に焼き付けることにしました。
ときおり姿を見せる大海原の風景は雄大で、だんだんと日も落ちてきたので、きっと夕日はきれいだろうなと思いました。
小串(こぐし)駅には17時前に到着。他の旅人は向かいのホームで待っていた下関行きに乗車していきましたが、浜辺が近くにありそうなので、小串駅で降りてみることにしました。

小串駅
駅から10分ほど歩くと、いい感じの広場と浜辺がありました。海に向かってベンチがあったので、次の列車が来るまでの間、海をぼんやりと眺めることにしました。「お前はナルシストか」と誰かに突っ込まれている気もしましたが、実のところは「雲に隠れている太陽よ、早く出てこい」という気持ちで、天に拝んでいました。
結局、太陽は姿を見せず仕舞いでしたが、夕日の隠れた名所を発見できたので、よしとします。

小串駅近くの浜辺から見た日本海
◆17:53小串発~18:35下関着
この頃にはダイヤも通常に戻ったようで、列車は定刻どおり小串駅を出発しました。
この日の宿泊地・下関駅に近づくころにはビル等の大きな建築物も見えてきて、山陰から山陽へ入ったんだなと実感しました。
下関に到着し、ホテルでチェックインを済ませた後、駅隣接の商業施設内にあるユニクロで下着類を調達しました。少し疲れたので、夕食は地元のスーパーで買って帰り、ホテル内で済ませました。
天候に左右された1日でしたが、結局ゴールへの到着時刻は同じで、不思議な感じがしました。

中国地方の旅③(2日目:米子~安来~松江~出雲)

2日目は今旅のメインとなる、月山富田城と松江城を見物する日です。天候はかなりあやしく、この数日間は中国地方は雨に見舞われるとの予報でした。


◆7:33米子発~7:40安来着
安来駅までは米子駅からわずか1駅。この両駅間に鳥取、島根の県境があるんですね。
安来駅に到着すると、レンタルサイクルをされている案内を目にしたので、観光案内所の女性に尋ねると、「今日は先約が入っていて、残り1台ですが、ありますよ」とのこと。
早速、レンタルの手続きをしようとすると、「どちらまで行かれるご予定ですか?」と聞かれたので、「月山富田城までです。」と答えると、女性の顔色が変わりました。
「あの、車でも20分はかかりますが…」。
前回、高知・中村での成功体験があったので、高を括っていたのですが、駅からの距離が約15キロと聞いて、慌ててレンタルをやめました。
「どうやって行けばよろしいでしょうか…」と拝むような気持ちで尋ねると、「路線バスが登城口の近くまで走っているので、そちらをご利用ください」とのこと。「城のすぐ近くには足立美術館もあり、こちらも同じバスで行けますよ」と、行きと帰りのバスの時刻を蛍光ペンで丁寧に記した時刻表をくださいました。
とても親切な対応で、前日の鳥取とはえらい違いやな、と思いながら、いっぺんに安来が好きになりました。

安来駅
幸いバスはすぐにやってきて、登城口の最寄りのバス停までは25分ほどで着きました。ただ、一つひとつの停留所間の距離が長くて、所々に坂道もあったので、自転車で来ていたらと思うと、ぞっとしました。しかも借りようとしていたのが、電動自転車ではなく、ふつうのママチャリだったので、なおさら案内所の女性に感謝の念を抱きました。
所定のバス停で降りで、そこから登城口までは徒歩10分ほどで着きました。
城下から本丸跡を見上げると、さすがは難攻不落の名城。もはや城見物ではなく、軽い登山です。

覚悟を決めて登ること約25分。息は切れ、膝はふるえ、山頂に到達したときには、蒼色のTシャツが汗で紺色に変色していました。
途中で「我に七難八苦を与えたまえ」の逸話でも有名な山中鹿助(幸盛)の銅像を目にし、元気をもらいましたが、荷物を駅前のコインロッカーに預けていたので、やはり着替えを持ってくるべきだったと反省しました。

月山富田城跡

山中鹿助像
それでも本丸跡(山頂)からは、のどかな田園風景や安来の町並み、遠くには中海の姿が望め、絶景でした。
そしてこの城が難攻不落と評された理由も納得できました。こんな急こう配な斜面を重い甲冑や刀を携えて攻めるなど、昔の人でもさぞ萎えたことだろうなと実感しました。

月山富田城から日本海方面を望む
月山富田城を下り、元のバス停から、次に「足立美術館」に行ってみることにしました。バスで5分ほどの距離です。
この美術館の存在は以前、テレビで見て知っていましたが、安来にあることまでは把握していませんでした。
所蔵美術品の質・量はもちろん、その庭園の美しさでも有名です。正直なところ私は美術品にはあまり関心はありませんが、せっかくの機会なので、見学することにしました。
美術館の周辺は田園のみにも関わらず、多くの観光客が朝から詰めかけていました。その中には外国人観光客もたくさんいました。
美術館に入って、展示品の数々にも目を奪われましたが、やはり庭園の美しさが一番印象に残りました。テレビで見た、あの美しい光景を肉眼で拝見することができ、細部にまで神経の行き届いた庭師の方のこだわりに感銘を受けました。今まで見た美術館の中で一番良かったかもしれません。来てみてよかったと思いました。
足立美術館から安来駅までは、美術館が無料送迎バスを出しており、利用しました。

足立美術館(庭園1)

足立美術館(庭園2)
◆11:38安来発~12:07松江着
バスの乗り継ぎがよかったこともあり、実質3時間ほどで月山富田城と足立美術館を見物することができました。先ほどの観光案内所の女性にお礼を述べ、次の目的地の松江へ向かいました。
松江駅から松江城までは、市内の要所を巡るループバスを利用しました。
松江城は現存12天守の城の一つにあたります。前回の四国の旅で、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城、姫路城を見物したので、松江城で6城目となります。
松江城は平城なので、難なく天守までたどりつけました。
天守内には井戸が残されているほか、展示品もいろいろとあり、充実していました。最上階からは、松江の町並みと宍道湖が望め、心地よい風が吹き抜けて、束の間の休息をとることができました。
しばらく城下を眺めていると、お堀の回りを屋形船が行き来しているのを発見しました。どうやら観光用らしく、乗ってみることにしました。
屋形船でお城や城下町を巡るのは初めての経験です。船頭さんが松江の歴史や名所の案内をしてくれたほか、松江ゆかりの唄まで披露してくれて、楽しい時間を過ごすことができました。

松江城

松江城から宍道湖方面を望む

松江城内に残る井戸
◆16:20松江発~17:12出雲市着
2日目の宿泊地は、次の日の行動を見据え、出雲市に決めました。松江からバスで境港まで行こうか迷いましたが、遅くなりそうなので、断念しました。
出雲市駅に到着したときには雨が降り出し、しばらくすると大粒の雨へと変わりました。夕食に出雲そばをいただき、駅前のホテルで休みました。
今日は終始大満足の一日となりました。この地を勧めてくれた、そらしち師匠にただただ感謝するばかりです。

2017年8月20日日曜日

中国地方の旅②(1日目:大阪~京都~福知山~城崎温泉~鳥取~米子)

初日、関西は晴天。6時半に家を出て、まずは旅の出発地点・JR大阪駅へ向かいました。

◆7:15大阪発~7:44京都着、7:59京都発~10:09福知山着、10:11福知山発~11:33城崎温泉着
以前、京都に住んでいたので、大阪―京都間は見慣れた景色でしたが、京都から山陰本線に乗ったことはなく、こちらの風景は新鮮でした。とくに途中で停車した保津峡駅は、駅が渓谷をまたぐ橋の上に立地していて、迫力がありました。
京都駅出発時点では、列車は8両編成でしたが、園部駅で4両編成となり、あわてて前4両に席を移しました。そこから4駅進むと、胡麻(ごま)駅があり、鉄道ファンが写真を撮っていました。
福知山駅では、次の城崎温泉までの列車が向かいのホームで待っており、すぐに発車しました。豊岡、城崎温泉、竹野には何度か訪れたことがありますが、列車で向かうのは初めてのことです。車を運転していると景色だけを楽しむわけにはいかないので、今回は車窓から円山川や但馬の風景を存分に楽しむことができました。
列車は定刻どおり城崎温泉に到着。次の列車まで少し時間があったので、城崎温泉駅で降りることにしました。駅前は、さすが湯の街・城崎だけあって、観光客で賑わっていました。


◆11:56城崎温泉発~14:16鳥取着
次の列車に乗り込み、城崎温泉駅で購入した名物のかにめし弁当を車内でいただきました。
しばらくして車窓から美しい日本海の風景が飛び込んできました。いよいよ本格的に山陰地方へ突入です。
鳥取までの走行距離はそれほど長くはないはずですが、途中の浜坂駅で28分間停車したため、約2時間半を要しました。前回の旅で、八幡浜で32分待ちを経験しているので、驚きも半減でしたが、それでも都会では考えられないことです。
鳥取駅に到着し、とりあえずこのままどこも観光しないのは味気ないと思い、鳥取砂丘に行くことにしました。
駅舎内の観光カウンターの女性に砂丘までの行き方を尋ねると、「0番ホームからバスに乗ってください」と、随分そっけない対応を受けました。鳥取県知事が積極的にメディアに出て、地元の観光PRに尽力されているのに、これでは水の泡です。少しがっかりしましたが、この女性も毎日「砂丘、砂丘」と観光客から聞かれて、うんざりしているのかもしれません。
駅から砂丘までは、バスで25分ほどかかりました。現地に着くと、すごい人だかりでしたが、それ以上に砂丘が広くて、驚きました。
天気にも恵まれて、砂丘の頂きから見た日本海の雄大な景色に、心が和みました。ただ、スニーカーの中が砂まみれになったので、裸足で歩くか、スリッパを求めるなどすればよかったと思いました。

鳥取砂丘

鳥取砂丘の頂から日本海を望む
鳥取駅までは再びバスで戻りましたが、この日は駅前でお祭りが開催される関係で、いつもとは違う路線を通るとのこと。しかも途中から渋滞に巻き込まれ、駅に到着したときには予定していた列車の時刻が過ぎていました。
仕方なく駅前で夕食をとっていると、お祭りのアナウンスが聞こえてきました。どうやら「鳥取しゃんしゃん祭り」という地元の伝統行事らしく、せっかくなので見物してみることにしました。
はじめに鳥取市長、続いて鳥取県知事があいさつをされ、次に鮮やかな傘を手にした踊り子たちによる、しゃんしゃん踊りが始まりました。偶然、遭遇したお祭りでしたが、とても新鮮で艶やかで、感動しました。
もう少し見たいところでしたが、列車の時刻が迫っていたので、後ろ髪を引かれる思いで、鳥取を後にしました。

鳥取しゃんしゃん祭り
◆19:09鳥取発~20:44米子着
鳥取を出発した時点ですでに日は沈んでいたため、日本海に沈む夕日を見られず残念でした。しかも都会と違って、土地の明かりは皆無に近く、車窓から見る景色は暗闇続き。車窓からの景色を楽しむという、列車の旅の基本から反れてしまったことは反省点となりましたが、しゃんしゃん祭りが見られたので、よしとすることにしました。
列車は21時前にこの日の宿泊地・米子に到着。夕食も済ませていたので、この日はホテルで旅の疲れをとることに専念しました。

中国地方の旅①(序章)

青春18きっぷを使った四国の旅は本当に楽しくて、以前より仕事を前向きに取り組めるようになったと思います。
次はどこに行こうかなと、あれこれ考えを巡らす時間も楽しくて、そうこうしているうちにお盆休暇がやってきました。
とくに用事もなかったし、今年は暦の関係で休暇も長いので、青春18きっぷを再度購入して、旅に出ることにしました。
行き先をどこにしようか考えていると、知人で一人旅の大先輩の「そらしち師匠」から、山陰地方、とくに安来・出雲方面がおすすめであることを教えてもらいました。
早速ネットで情報を集めてみると、安来には戦国の名城・月山富田城があるではありませんか。
出雲や松江にも近いので、次の旅は「2017夏 脱力の旅(中国地方編)」と題し、中国地方を巡ることに決めました。


◆日程:8月13日(日)~17日(木)
◆旅の目的・目標
①山陰本線、山陽本線の全駅を制覇(通過)する
②安来駅で下車し、月山富田城を見物する
③出雲大社、松江城、備中松山城を見物する


前回同様、着の身着のままの思いつき旅行がいいと考え、大まかな計画だけを立てて、翌日のスケジュールは宿泊先でその都度決めることにしました。
とりあえず、旅のスタート地点をJR大阪駅とし、山陰本線の出発地・京都駅まで向かい、あとは気ままに北上していくことにしました。
お盆の期間なので混雑や、週間天気予報では雨マークの日が多く、ためらいもありましたが、運を天に任せて出立することにしました。

2017年8月19日土曜日

四国一周の旅⑥(総括)

今回の「脱力の旅(四国編)」の総括をしておきたいと思います。

◆期間:2017年7月29日(土)~8月2日(水) 5日間

◆踏破(通過)区間(JRのみ記載。乗車順)
・山陽本線(三ノ宮→相生)
・赤穂線(相生→播州赤穂→岡山)
・瀬戸大橋線/予算線(岡山→坂出→高松)
・予讃線(高松→丸亀→新居浜→松山→下灘→宇和島)
・予土線(宇和島→若井→(窪川))
・土讃線(窪川→高知→阿波池田→佃)
・徳島線(阿波池田→佃→徳島)
・高徳線(徳島→高松)
・予讃線/瀬戸大橋線(高松→坂出→岡山)
・山陽本線(岡山→姫路→三ノ宮)

※今回乗車できなかったJR四国の区間
・予讃線の内子回り(向井原-伊予大洲 間)
・土讃線(佃-多度津 間)
・牟岐線(徳島-海部 間)
・鳴門線(池谷-鳴門 間)

◆経費
・青春18きっぷ代 11,850円(※)
・宿泊費、施設入場料、その他交通費等 29,490円
・食費、飲料費 19,612円
・その他雑費 5,088円
 合計 66,040円

※今回、仮に一般の乗車券で各地を巡った場合のJRの運賃は、5日間で総額21,690円となりました。青春18きっぷによって、9,840円分お得に回れたことになります。1日あたりでは約2,000円の効果となりますが、改めて算出してみると、超お得というわけでもないんだなと、思ってしまいました。

◆次回への教訓
・車内の冷房がきつい場合があるので、夏でも長袖を1枚持参した方がいい。
・電波の関係か、スマホの電池がすぐに消耗するので、対策が必要。
・時刻表を持参したが、ほとんど使わず、重いので途中で捨てた。アプリ「駅すぱあと」である程度の対応が可能。


四国一周の旅⑤(5日目:徳島~岡山~姫路~三ノ宮)

5日間の旅も最終日を迎えました。一部乗れなかった区間もありますが、宇多津まで到達すれば、四国一周の達成です。

◆6:40徳島発~9:09高松着、9:23高松発~10:18岡山着
高徳線で、まずは高松へ向かいました。この日の予定はほとんど決めておらず、とりあえず岡山まで戻ることにしました。
高松までは2時間半かかりましたが、高松から岡山へは快速マリンライナーに乗車。この5日間でJR四国の単線にすっかり慣れてしまっていたので、やはり速く感じました。あっという間に瀬戸大橋を通過し、四国に別れを告げることになりました。
このままだと昼過ぎにゴール地点の三ノ宮に着いてしまうので、岡山で降りて、岡山城と後楽園を見学することにしました。
岡山駅から市バスに乗り、まずは岡山城へ向かいました。岡山城は黒塗りの天守で立派な建物でしたが、城内にエレベータが設置されており、少し興ざめしてしまいました。一通り見て回った後、隣の後楽園へ向かいました。
後楽園の庭園は美しく、そこから眺める岡山城は見ごたえがありました。岡山城は少し離れた位置から眺める方が、よさそうに思いました。
後楽園から岡山城を望む

◆12:12岡山発~13:17相生着、13:21相生発~13:40姫路着
岡山で昼食も済ませ、このまま帰路につこうか迷いましたが、少し消化不良の感があったので、旅の最後に国宝で世界遺産でもある姫路城を観に行くことにしました。
姫路城へは小学生のとき以来の訪問です。自宅と同じ県内にあるので、いつでも行けると思っていましたが、なかなか行けないものですね。この機会に行っておいて正解でした。
姫路駅から徒歩10分。駅から天守が見えるので、メインストリートを直進すれば簡単に到達できました。
さすが、世界遺産です。ひっきりなしにやってくる観光客で入城口は溢れかえっていました。でも門をくぐってさらにびっくり。敷地の壮大さと白で統一された城郭の荘厳さ、天守の美しさ等、すべてに圧倒されました。伊予松山城の連立天守も見事でしたが、姫路城はその数倍の麗しさがあり、旅の疲れは一気に吹き飛びました。
姫路城1

姫路城2
◆15:56姫路発~16:37三ノ宮着
少し早いですが、ゴールの三ノ宮に戻ってきました。全行程を終了し、三つの目標も達成できました。本当はもう少し各地を回ってもよかったのかもしれませんが、姫路城で十分満足したので、帰ることにしました。
青春18きっぷを使った初の一人旅は、天気にも恵まれ、幸せな日々を過ごすことができました。
こんな面白い企画に今まで気が付かなかったことに多少の後悔もありますが、これから少しずつ取り返していこうと思います。

四国一周の旅④(4日目:高知~大歩危~徳島)

4日目は、まず高知城を見学することにしました。高知駅のコインロッカーに荷物を預け、そこから土佐電鉄でお城まで向かいました。
高知城は、丸亀城や宇和島城のような急斜面を駆け上がる必要はなく、ゆったりと鑑賞することができました。とくに大手門や黒鉄門は見事で、ほれぼれするほどでした。
高知城
高知城天守からの眺め

◆10:43高知発~12:45大歩危着
前日に路線図を見ていると、「大歩危(おおぼけ)駅」「小歩危(こぼけ)駅」の存在を知りました。この日のゴールを徳島に設定しており、時間的には余裕があったので、とりあえず大歩危で降りてみることにしました。大歩危駅や周辺の風景はとてもきれいで、すっかり魅了されました。
鉄橋から大歩危駅を見下ろす
大歩危駅で周辺案内図を見ると、近くに道の駅と吉野川下りができる船着き場の存在が確認できました。次の列車まで3時間もあったので、まずは道の駅へ徒歩で向かいました。
約10分ほどで到着し、ここで昼食をとりました。そこから船着き場までさらに10分ほど歩きました。船着き場には外国人観光客もたくさんいて、少し驚きましたが、早速乗船しました。
約30分間の遊覧でしたが、船頭さんが吉野川や大歩危峡の解説をしてくれて、十分に楽しめました。
大歩危峡を遊覧
◆15:42大歩危発~16:10阿波池田着、16:54阿波池田発~18:50徳島着
大歩危を再出発し、阿波池田で徳島線に乗り換えました。阿波池田で少し時間があったので、街を散策してみると、かつてやまびこ打線で甲子園を沸かせた県立池田高校があり、懐かしく感じました。
徳島線の旅は約2時間でしたが、車窓からは吉野川や山間の集落が観られて、心地よい時間を過ごすことができました。
列車は定刻どおり徳島に到着。脱力の旅も残すところあと1日となりました。

四国一周の旅③(3日目:宇和島~中村~高知)

3日目は朝食後、宇和島城を見学することにしました。
荷物を駅のコインロッカーに預け、徒歩10分ほどで入城口に着きました。
そこから天守までは坂道を駆け上り、15分ほど要しましたが、天守からの眺望は丸亀城、松山城に負けず劣らず、すばらしいものでした。
天守は9時オープンなので、朝一番に行けてよかったと思います。
宇和島城

宇和島城からの眺望

◆9:39宇和島発~11:45窪川着、12:08窪川発~13:09中村着
次に清流・四万十川を観に行くことにし、宇和島から予土線に乗って窪川へ向かいました。車窓から幾度も四万十川や沈下橋を目にし、心が和みました。
窪川から中村までは土佐くろしお鉄道になるため、青春18きっぷは使えません。正確にはJR四国の管轄が予土線の場合、宇和島ー若井(窪川の一駅手前)間となるため、若井ー窪川間も別料金が必要でした。
中村に到着し、昼食をとり、観光案内所に向かいました。ネットで得た情報では、中村駅から一番近い沈下橋「佐田沈下橋」までは自転車で片道約40分とのことでしたが、案内所の方に確認すると、実際の距離は思っていたよりは近いことがわかりました。
残り時間は90分ほどしかありませんでしたが、レンタルサイクルを利用して、向かうことにしました。
お借りした電動自転車の威力はすさまじく、全速力でペダルを漕いだことも相まって、約20分で無事、到着しました。曇り空だったことは残念でしたが、四万十川の景色を束の間、味わうことができました。

佐田沈下橋(高知県四万十市)


◆15:32中村発~16:29窪川着、16:32窪川発~17:11須崎着、17:23須崎発~18:49高知着
自転車を全速力で漕いだのは久しぶりでしたので、相当疲れました。中村駅でアイスクリームとゆずサイダーをいただき、窪川まで戻りました。
窪川からこの日の宿泊地・高知までは土讃線の旅です。ぼんやりと車窓からの風景を楽しんでいると、列車は安和(あわ)駅に停車。駅の目の前が太平洋で、下灘駅とはまた違った風情があり、感動しました。次に来る際には、ぜひ降りてみようと思いました。
途中、雨が降っていましたが、高知に着いたときにはすっかりあがっていました。
夕食に鰹のたたきを存分に味わい、鋭気を養いました。

四国一周の旅②(2日目:新居浜~松山~下灘~宇和島)

◆7:43新居浜発~9:53松山着
2日目は、まず(伊予)松山城を見学するため、松山へ向かいました。
松山城には過去何度か訪れていますが、松山駅で降りたのは初めてのことで、駅から市電に乗り換えて現地を目指しました。
天守までは、途中までロープーウェイでも行けます。昨日の丸亀城のことを思うと、随分と楽をできました。
天守からは松山の町並みを360度一望できます。美しい景色は何度見てもいいものだと、改めて感動しました。
伊予松山城
 
◆13:02松山発~13:38下灘着
松山で昼食を済ませ、今旅の最大の目的地・下灘駅へ向かいました。この駅は青春18きっぷのポスターにも採用された鉄道ファンなら周知の無人駅で、ホームから眺める周防灘は絶景と評されています。以前、下灘駅を訪れる人々の人間模様を取り上げたNHKの番組を観て以来、一度は訪れてみたいと思っていました。
当日は晴天に恵まれ、眼前に広がる青い海は確かに最高でした。次の列車が来るまでの1時間半、ずっと海を眺めていました。
駅には40人ほど先客がいて、みんな思い思いに写真を撮ったり、ワゴン車を改造して営業されている駅前のカフェでお茶したりと、のんびりとした時間を過ごされていました。
駅のベンチでアイスコーヒーを飲んでいると、遠くから音楽が聞こえ、だんだんとこちらに近づいてきました。正体は観光列車「伊予灘ものがたり」で、周りにいる人たちがみんな写真を撮る準備をしていたので、私も横に並んでシャッターを切りました。
列車は下灘駅に10分ほど停車。乗客も駅に降りて、記念撮影をされていました。この観光列車は食事付で、路線もいくつかあるようです。いつの日か乗ってみたいと思いました。
下灘駅

観光列車「伊予灘ものがたり」


◆15:21下灘発~18:14宇和島着
本当は下灘駅で夕日が沈む光景を見たいところでしたが、列車の本数が少ないため、今回は断念しました。駅にはまだ30人ほど観光客がいましたが、やってきた普通列車に乗ったのは私一人。どうやら大半の人が車で来ているようでした。
2日目の宿は宇和島に設定したものの、地図を見ていて、なぜこの距離で3時間もかかるのか不思議でしたが、途中の八幡浜で謎が判明しました。なんとこの駅で32分間の停車。乗客はもちろん、運転士さんも降りていかれました。
きちんと時刻表を見れば事前にわかることなのですが、何せ思いつき旅行のため、列車の時刻はすべてアプリ「駅すぱあと」頼み。出発時間と到着時間しか把握していない有様でした。
仕方なくいったん列車を降り、駅舎で時間をつぶしていると、しばらくして高校生の集団がやってきたので、慌てて車内へ戻りました。
列車は定刻どおり再出発し、一路宇和島へ。しばらく車窓からの眺めを楽しんでいると、向かいに座っていた女子高生がブラインドを閉めるではありませんか。
「確かに西日はまぶしいし、君たちにとってはありふれた日常の光景だろうけど、おじさんにとってはもう二度とみられないかもしれないんだよ。。。」
心で叫びながら、10分ほど我慢していましたが、我慢の限界でした。
5Mほど前方へ席を移動し、他のお客さんに迷惑がかからない範囲を確認した後、閉まっていた別の窓のブラインドを開け、車窓からの眺めを復活させました。
女子高生は、きまりが悪そうな面持ちでしたので、心の中で「ごめんなさいね」と謝っておきました。
そんなこんなで宿泊地の宇和島に到着。夕食に名物の鯛めしを堪能し、大満足の2日目を終えました。