2017年8月21日月曜日

中国地方の旅③(2日目:米子~安来~松江~出雲)

2日目は今旅のメインとなる、月山富田城と松江城を見物する日です。天候はかなりあやしく、この数日間は中国地方は雨に見舞われるとの予報でした。


◆7:33米子発~7:40安来着
安来駅までは米子駅からわずか1駅。この両駅間に鳥取、島根の県境があるんですね。
安来駅に到着すると、レンタルサイクルをされている案内を目にしたので、観光案内所の女性に尋ねると、「今日は先約が入っていて、残り1台ですが、ありますよ」とのこと。
早速、レンタルの手続きをしようとすると、「どちらまで行かれるご予定ですか?」と聞かれたので、「月山富田城までです。」と答えると、女性の顔色が変わりました。
「あの、車でも20分はかかりますが…」。
前回、高知・中村での成功体験があったので、高を括っていたのですが、駅からの距離が約15キロと聞いて、慌ててレンタルをやめました。
「どうやって行けばよろしいでしょうか…」と拝むような気持ちで尋ねると、「路線バスが登城口の近くまで走っているので、そちらをご利用ください」とのこと。「城のすぐ近くには足立美術館もあり、こちらも同じバスで行けますよ」と、行きと帰りのバスの時刻を蛍光ペンで丁寧に記した時刻表をくださいました。
とても親切な対応で、前日の鳥取とはえらい違いやな、と思いながら、いっぺんに安来が好きになりました。

安来駅
幸いバスはすぐにやってきて、登城口の最寄りのバス停までは25分ほどで着きました。ただ、一つひとつの停留所間の距離が長くて、所々に坂道もあったので、自転車で来ていたらと思うと、ぞっとしました。しかも借りようとしていたのが、電動自転車ではなく、ふつうのママチャリだったので、なおさら案内所の女性に感謝の念を抱きました。
所定のバス停で降りで、そこから登城口までは徒歩10分ほどで着きました。
城下から本丸跡を見上げると、さすがは難攻不落の名城。もはや城見物ではなく、軽い登山です。

覚悟を決めて登ること約25分。息は切れ、膝はふるえ、山頂に到達したときには、蒼色のTシャツが汗で紺色に変色していました。
途中で「我に七難八苦を与えたまえ」の逸話でも有名な山中鹿助(幸盛)の銅像を目にし、元気をもらいましたが、荷物を駅前のコインロッカーに預けていたので、やはり着替えを持ってくるべきだったと反省しました。

月山富田城跡

山中鹿助像
それでも本丸跡(山頂)からは、のどかな田園風景や安来の町並み、遠くには中海の姿が望め、絶景でした。
そしてこの城が難攻不落と評された理由も納得できました。こんな急こう配な斜面を重い甲冑や刀を携えて攻めるなど、昔の人でもさぞ萎えたことだろうなと実感しました。

月山富田城から日本海方面を望む
月山富田城を下り、元のバス停から、次に「足立美術館」に行ってみることにしました。バスで5分ほどの距離です。
この美術館の存在は以前、テレビで見て知っていましたが、安来にあることまでは把握していませんでした。
所蔵美術品の質・量はもちろん、その庭園の美しさでも有名です。正直なところ私は美術品にはあまり関心はありませんが、せっかくの機会なので、見学することにしました。
美術館の周辺は田園のみにも関わらず、多くの観光客が朝から詰めかけていました。その中には外国人観光客もたくさんいました。
美術館に入って、展示品の数々にも目を奪われましたが、やはり庭園の美しさが一番印象に残りました。テレビで見た、あの美しい光景を肉眼で拝見することができ、細部にまで神経の行き届いた庭師の方のこだわりに感銘を受けました。今まで見た美術館の中で一番良かったかもしれません。来てみてよかったと思いました。
足立美術館から安来駅までは、美術館が無料送迎バスを出しており、利用しました。

足立美術館(庭園1)

足立美術館(庭園2)
◆11:38安来発~12:07松江着
バスの乗り継ぎがよかったこともあり、実質3時間ほどで月山富田城と足立美術館を見物することができました。先ほどの観光案内所の女性にお礼を述べ、次の目的地の松江へ向かいました。
松江駅から松江城までは、市内の要所を巡るループバスを利用しました。
松江城は現存12天守の城の一つにあたります。前回の四国の旅で、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城、姫路城を見物したので、松江城で6城目となります。
松江城は平城なので、難なく天守までたどりつけました。
天守内には井戸が残されているほか、展示品もいろいろとあり、充実していました。最上階からは、松江の町並みと宍道湖が望め、心地よい風が吹き抜けて、束の間の休息をとることができました。
しばらく城下を眺めていると、お堀の回りを屋形船が行き来しているのを発見しました。どうやら観光用らしく、乗ってみることにしました。
屋形船でお城や城下町を巡るのは初めての経験です。船頭さんが松江の歴史や名所の案内をしてくれたほか、松江ゆかりの唄まで披露してくれて、楽しい時間を過ごすことができました。

松江城

松江城から宍道湖方面を望む

松江城内に残る井戸
◆16:20松江発~17:12出雲市着
2日目の宿泊地は、次の日の行動を見据え、出雲市に決めました。松江からバスで境港まで行こうか迷いましたが、遅くなりそうなので、断念しました。
出雲市駅に到着したときには雨が降り出し、しばらくすると大粒の雨へと変わりました。夕食に出雲そばをいただき、駅前のホテルで休みました。
今日は終始大満足の一日となりました。この地を勧めてくれた、そらしち師匠にただただ感謝するばかりです。

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